春は別れと出会いの季節です。
進学やご就職で、これまでの環境から新しい生活へと変わる人も多いことでしょう。この時期は、卒業式や謝恩会、入学式・入社式などお祝いの式典が多くなり、礼服の需要が高まります。
着用の場は違えど、機会があるといつも
- 親族の結婚式に礼服を着るのは正解?
- 礼服の着こなしがちゃんと合ってるのか?
- 自分の持ってる黒のスーツは礼服なのだろうか?
- 急なお葬式でどんな服装をしたら良いか分からない。
など、礼服に関するさまざまな疑問や不安を抱いてしまいます。日本の文化上、きっちりとした席では意外と見られているのでいつもより気を使ってしまいます。
ビジネススーツと比べると着用する場や回数が少ないため、いざ礼服を買おうと思ってもどういったものを買えば良いのか分からなかったり、購入することに慎重になる人もおられるのではないでしょうか。
とはいっても、歳を重ねるとともに着用機会が増えてくるフォーマルウェア。それは”急に”、そして”絶対に”必要になるものです。お立場のある方、経営者の方であればなおさらフォーマルな場へのご出席機会も増えてくることでしょう。
こうした普段とは違った限定されたシーンでこそ、大人の男性のための礼服選びや、最低限の知識やマナーを知り、その場で相手に失礼にならないような服装をしっかりと準備しておくことが大事です。
今回は、特に略礼服の中でも、必ずと言っていい程必要な「礼服(ブラックフォーマル)」に関する基本知識やマナー、「礼服」と「ダークスーツ」の違い、結婚式や葬式など、シーン別の礼服の着こなし方なども紹介しています。ぜひ参考にしてください。
礼服とは?
まず、日本においてスーツを着用するシーンは主に「ビジネス」と「冠婚葬祭」の二つに大きく分かれます。
男性が着用する礼服は”3種類”ある
「礼服」は冠婚葬祭で着用するスーツの総称で、男性の礼服は以下の3つの種類(格式)に大きく分けられます。格式の高い順に正礼装、準礼装、略礼装と3つの種類があり、立場や着用シーンによってどれを選ぶべきかが決められています。
正礼装
正礼装は、紳士服において最も格式の高い服装です。結婚式であれば、新郎や両家の父親、仲人などの主賓が着用します。葬儀で喪主が着用することもあります。
- モーニングコート
- 燕尾服(えんびふく)
昼間の正礼装は「モーニングコート」と呼ばれる服装です。もっとも身近なシーンでいうとお子さんの結婚式に父親が着用したり、卒業式で校長が着用する服のことです。
また、お葬式での男性の最も格式の高い礼装もこのモーニングコートで、喪主のみが着用します。
夜の正礼装は「燕尾服」や「タキシード」です。もともと、タキシードは正礼装の次に格式が高い「準礼装」でしたが、近年では燕尾服を着用する機会が減ったため、タキシードも正礼装とするケースが一般的になりました。
準礼装
正礼装に準ずる礼装で、結婚式や披露宴に招待されたゲストの中で最も格式の高い礼装になります。メインのゲスト、つまり”主賓クラス”が準礼装を着用します。
- ディレクターズスーツ
- タキシード
「ディレクターズスーツ」は、昼間の準礼装として着用され、結婚式や披露宴の主賓やスピーチを担当する方が着ることが多い服装です。
「タキシード」は、正式には夜(18時以降)に着用します。もともとは燕尾服のデザインを簡略化してつくられたものがタキシードです。ちなみに結婚式では新郎や主賓が着ることが多いタキシードですが、ゲストでも着用OK。 最近は正・準礼装を兼ねることが多く、昼間の着用の人気も広がっています。
略礼装
略礼服とは、一般的にビジネススーツよりも暗い色のスーツを指します。黒のほか濃紺やグレーなどの無地のダークスーツが基本となります。
一般的に普段仕事で着用するスーツを「ビジネススーツ」、冠婚葬祭で着用するスーツを「礼服(ブラックフォーマル)」と呼びます。
また、冠婚葬祭用に特化した日本独自のブラックフォーマルスーツも略礼服です。
略礼服=ブラックフォーマル=喪服
「礼服(ブラックフォーマル)」は “結婚式”や “葬儀” などに、親族が参加する場合に着られます。
結婚式で親族以外のゲストが着用する略礼服は「ダークスーツ」で、濃いネイビーやグレーのダークスーツを略礼服として着る事もできます。
必ず1着は持っておくべきは「略礼服」
「略礼服」とはいわゆる一般的に「礼服(ブラックフォーマル)」と呼ばれる、日本独自の冠婚葬祭用の礼服のことです。弔辞では「喪服」と呼ばれます。
冠婚葬祭には「礼服(ブラックフォーマル)」
結婚式では近親者を除き「礼服(ブラックフォーマル)」を着用することも少なくなってきましたが、葬儀や法事など着用機会が多いため一着用意しておくことをお勧めしています。
結婚式にも葬式にも使える便利なもので、慶事なら白ネクタイをつけ、弔事であれば黒ネクタイを付けることで、どちらにも対応することができます。とはいえ、本来は別々に持っておくのが理想ですが、兼用で着用できるのがメリットでもあります。
弔事において最も一般的に着用されるのが略礼服で、男性の場合は「礼服(ブラックフォーマル)」が該当します。
弔事用(お悔やみの場)での「礼服(ブラックフォーマル)」は漆黒に近いもので、ビジネススーツとして売られている光沢のある一般的なブラックスーツとは異なるので注意しましょう。
礼服(ブラックフォーマル)とブラックスーツの違いは?
二つのもっとも大きな違いは「黒色」です。「礼服(ブラックフォーマル)」は結婚式や葬儀などの式典で着用するものなので、一般的なブラックスーツと比べて光沢感が無く、光を吸収するように織られ、濃い黒色(漆黒)をしています。
日本独自の染色技術により非常に濃い黒色を表現した日本製の礼服用生地を使用して作られています。より深さを感じる濃い黒が品格の象徴とされ、濃ければ濃いほど高級品です。
礼服(ブラックフォーマル)が必要な着用シーン
親族の結婚式
親族の結婚式へ参列する際は、基本は「礼服(ブラックフォーマル)」です。カジュアルなパーティーであれば礼服でなくても問題ありません。親族以外の参列者はダーク系スーツ(ダークネイビー、チャコールグレー)が良いとされています。
20代前半の入社間もない男性であれば略礼服など、ブラックスーツで問題ないかと思いますが、
30代、40代と歳を重ねて、品格が伴う年代になれば、恥をかかないためにも生地の質や仕立てのクオリティなどを意識した着用をしなければなりません。
ベストが無くても問題ありませんが、3ピースであればより格式の高いイメージとなります。また、グレーのベストを合わせることで華やかな印象を加えることも可能です。
- シャツ・・・ホワイトの無地が最も定番です。派手な柄や襟の形、ボタンダウンなどのカジュアルなものはNGとされています。
- ネクタイ・・・シルバーやホワイトのネクタイが定番です。最近では、ストライプや小紋柄のカラーネクタイを着用する方もいらっしゃいます。
- アイテム・・・ネクタイの色に合わせた白やシルバーのポケットチーフは華やかな印象になります。
- シューズ・・・靴は黒の内羽根式のストレートチップまたは、プレーントゥが望ましいです。
これらに加えて重要なポイントがありますが、当然ながら結婚式の主役は新郎新婦です。参列する際、二人より目立たないコーディネートを選ぶのは常識です。スーツの色は濃く控えめにして、ネクタイやチーフで華やかな色柄を選んで祝福の意を表すのがおすすめです。
お葬式・告別式
お葬式のような厳粛な場では光沢のある生地はNGです。礼服にはマットな生地が使われ、控えめな印象となっています。
スーツは光沢のない黒の上下が鉄則でパンツの裾はシングルです。ジャケットスタイルは絶対にNGです。
- シャツ・・・ホワイト無地のシャツ。襟型はレギュラーか、ワイドカラーのモノを選ぶ必要があります。
- ネクタイ・・・喪服での着用は、光沢・艶のないブラック無地のネクタイでディンブル(くぼみ)を入れないのがマナーです。
- アイテム・・・結婚指輪以外の小物は着用しません。
- シューズ・・・靴は黒のストレートチップまたは、プレーントゥが基本となります。 金具が付いていたり、エナメルなどの光沢感のあるモノはNGとなります。靴下はタイと合わせて黒で統一します。
ワニ皮や爬虫類の型押しのバッグやヒョウ柄などのアイテムは殺生を連想させるため避けましょう。
平日に仕事関係の相手の葬儀に参列する際は仕事へ戻ることも考え、ビジネススーツでも許容されます。ただし、明るいトーンは避け、ダーク系を選んでください。一般的にネイビーよりグレーが好まれます。スーツ以外は上記のアイテムで参列しましょう。
お通夜
お通夜は基本的に平服(仕事用のダークスーツ)で参列します。つまり仕事用のスーツで出席します。ただし、目立つチェック柄やストライプ柄は避けましょう。また、喪服を着て行くことは「不幸を予想していたのでは」と、誤解を受けかねないので通常のビジネススーツでも差し支えありません。夕方に行われるお通夜には、実際にお仕事のスーツ姿や、作業着で参列するという方もおられます。ただ、同じお通夜でも、事情があって亡くなって数日後に行われている場合には、「とりあえずまず駆けつけた」ということではないので、喪服での参列で問題ないでしょう。
お葬式・お通夜ともに、幼稚園から高校までの子どもは、制服が正装なので結婚式や葬式などのフォーマルな場での着用は問題ありません。
オーダーメイドという選択肢
生地や仕様を選べる
オーダーの礼服であればたくさんの礼服専用の生地から選ぶことができ、自分の理想とする完成のイメージを思い描きながら生地の見本を見て触って、相談しながら作ることが可能です。既製品ではできないこの過程により、何年も着用可能な特別な礼服を仕立てられることができます。
素材はウールが基本ですが、生地の厚さやグレード、裏地の有無といった仕立ての違いがあるので用途に応じてオーダーしましょう。
体型が変化しても補正が可能
礼服は通常のスーツと比べて着用機会が少ないため、体型が変わる度に何度も買い替えるのは勿体ないです。
オーダーメイドであれば、あらかじめウエスト調整が可能なアジャスターをつけることも可能ですし、作成してから時間が経過しサイズが合わなくなった場合でも、できる限り補正ができように生地のゆとり(余分)をとってあるのもオーダーのメリットです。
様々な用途、デザインに対応
オーダースーツ専門店のグッドマンだからこそできる充実したフォーマルラインナップも自慢の一つです。冠婚葬祭用に誰もが一着は揃えておきたいブラックフォーマル(略礼服)だけでなく、あらゆるパーティーシーンに使えるタキシード、新婦のお父様が必ず着用するモーニングコートまで幅広くご用意しています。仕事着兼用のブラックスーツ(黒いスーツ)もご注文いただけます。
まとめ
今回は「略礼服」の中でも特に着用頻度の高いブラックフォーマルについて説明してまいりました。
日本の礼装には古くからのしきたりがあるため、冠婚葬祭に出席する際にはそれぞれのシーン、マナーに沿った正しい知識を知っておくことが必要です。
礼服は着る機会がいつ訪れるかわからないものです。社会人であれば余裕を持って必要な時に備えてオーダーしておきましょう。今はどこに行っても冷暖房が効いているので、オールシーズン用が1着あれば問題ありません。春夏用、秋冬用の2着揃えておけばどんな状況でも安心なので購入を検討してもよいと思います。
着用する機会の多いフォーマルスーツ(礼服)だからこそ、サイズのフィット感、高級感と品格のある装いで長く愛用できる1着を。
結婚式、式典、葬儀(お葬式)など、冠婚葬祭全般で着用するフォーマルスーツ(礼服)。Goodman 〜グッドマン〜 ではお客様のご着用シーンや用途に合わせて適切なアドバイスをさせていただきます。
是非お客様一人ひとりに合ったオーダーをお楽しみください。