オーダースーツと聞くと、値段も敷居も高いというイメージが先行し、なかなか手が出しにくいとお思いの方が多いのかもしれません。
しかしスーツのプロでもあるテーラーの立場からすると、それは大きな”誤解”です。予算や用途はもちろん、年齢やスタイルに合わせた「自分にとって最適なスーツ」をオーダーするなら最もコスパが良い購入手段だと言えます。
この記事では、皆様が抱くオーダースーツに関する不安や先入観を払拭すると共に、オーダースーツで失敗しないための注文時のポイントを詳しくご説明します。
既製品のスーツとは違い、世界でたった1着の「自分のためだけにあつらえたスーツ」の着心地は最高です。
この記事を読んで、オーダースーツへのご興味を持たれたり、「最高の着心地のスーツを作りたい」と思う方やオーダーをご検討される方が少しでも増えると幸いです。
オーダースーツの魅力
まず、オーダースーツの魅力として挙げられるのが、
・自分好みの生地やデザインを自由に選べる
・目的やシーンに合わせた理想の一着を作れる
・既成のスーツと価格それほど変わらずコスパがいい
・ビジネスでの印象が良くなる
・既製品のスーツでは味わえないフィット感がある
などがあります。
羽織った瞬間のフィット感は、オーダーの経験のある人にしか感じることのできない感覚です。
自分の体型に合わせたオーダーメイドのスーツは、既製品やただサイズを合わせただけのスーツに比べて無駄な生地のヨレや癖ジワが少ないので生地の傷みが軽減し、とても長く着ることができます。
また、オーダースーツは一着作ると採寸データが残るので、その後はずっと効率よくスーツを手に入れることができるのも魅力のひとつです。
オーダースーツの種類と相場
こちらが一般的なオーダースーツの種類と相場です。大きく分けて「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」の3つのオーダーシステムが存在します。
オーダーの種類 | パターンオーダー | イージーオーダー | フルオーダー |
---|---|---|---|
特徴 | 型が決まっており 既製品のサンプルスーツ から選ぶ | 基本の型を 体に合うものに細かく 調整して仕立てる | 型番(型紙)から 全て一から仕立てる |
一般的な価格相場 | 約2万〜5万 | 約5万〜20万 | 約20万〜100万 |
「東広島オーダースーツ Goodman 〜グッドマン〜」ではパターンオーダースーツとフルオーダースーツの丁度中間に値する「イージーオーダー」と呼ばれるオーダーシステムを採用しています。
パターンオーダーとイージーオーダーとの大きな違いは、サイズの調整方法です。パターンオーダーは”既製品”をもとに製作する一方で、イージーオーダーは”既製の型紙”をもとに製作します。イージーオーダーの方がより自分の体型に合ったスーツを着用できるため、高い満足感を得られるでしょう。
たとえば、パターンオーダーで調整できるのは着丈や袖丈、胴廻りなどの一部に限られ、体型に合わせた補正はできません。調整可能な範囲がイージーオーダーに比べ、カスタマイズの自由度が低いのがパターンオーダーです。また、既製品にも言えますが、幅広くサイズ展開はされているものの体の癖やバランスをすべてカバーするというのはほぼ不可能です。
一方のグッドマンの採用するオーダーシステムである「イージーオーダー」は、肩幅や胸周りやウエストの調整はもちろん、人それぞれの骨格の向きや姿勢で出る癖ジワなどの細かな調整ができ、ほとんどの体型に対応が可能です。
イージーオーダーの場合、相場は約5万円〜20万円の間が一般的です。
オーダースーツ注文から受け取りまでの流れ
特に初めてオーダースーツを依頼する場合、「目的に適したスーツが何なのか分からない」「自分に似合うスーツのデザインが分からない」「スーツや生地などに詳しくない」といった不安を持つ方が多くいらっしゃいます。そんな時こそグッドマンではオーダースーツのプロの意見を聞きながらオーダースーツの完成イメージを固めていくことができるので初めての方でも安心してご注文いただけます。
「生地もデザインも分からないからお任せで。」というお客様も、ざっくりとで構いませんのでお聞かせください。ご要望に合わせて最善のご提案させていただきます。お任せください。
ヒアリング
「目的や用途、希望を伝える」
着用場面や、そこでどう見せたいか(見られたいか)、どのようになりたいかなど、ご希望を具体化していく大切な時間です。
・就職活動のため、良い印象を与える最初の1着を作りたい。
・仕事で人前に出ることが多いので、印象の良いスーツが欲しい。
・子供の卒園式や入園式で着るので、長く着れる良いスーツをつくりたい。
・友人の結婚式に参加することが多くなってきたので、恥ずかしくない装いをしたい。
・営業で動くことが多いので、丈夫でシワになりにくいスーツが欲しい。
などの目的を明確に伝えることで、用途に合った生地選びやデザインなどをよりスムーズに進めることができます。
「予算を伝える」
スーツをオーダーする場合、ある程度の予算を決めておくことが大切です。カスタマイズをする生地やパーツによっては別途料金が生じる場合もあるため、あらかじめご希望のご予算をお聞かせください。
「スーツ料金表」
縫製 | 【ベーシックライン】 | 【ベーシックライン】 | 【スタンダードライン】 |
---|---|---|---|
仕様 | ■標準仕様 半毛芯 ポリエステル裏地 基本ボタン | ■標準仕様 半毛芯 ポリエステル裏地 基本ボタン | ■標準仕様 高級フル毛芯 キュプラ裏地 高級水牛ボタン AMFステッチ 高級台場仕様 Vスリット シロセット加工 etc. |
生地 | ・ウール&ポリエステル混紡 ・ストレッチ素材 etc. | ・ウール100% ・Goodmanセレクト生地 ・ストレッチ素材 etc. | ウール100%(主に伊・英国高級生地) ・Vitale Barberis Canonico(伊) ・John Foster(英国) ・Drago(伊) ・Savile Clifford(英国) ・Harrisons of Edinburgh(英国) ・Scabal(英国) ・Loro Piana(伊) ・Fox Brothers(英国) ・Ermenegildo Zegna (伊)etc. |
シングル上下の価格 | 48,000円~(税別) | 60,000円~(税別) | 90,000円~(税別) ※生地によって異なる |
こんな方にオススメ | ・「既製品のスーツと同程度の予算で購入したい」 | ・「いつも着ているスーツよりもちょっと良いスーツを作りたい」 | ・「高級なブランド生地を使って特別な1着を仕立てたい」 |
例えば、
・「既製品のスーツと同程度の予算で購入したい」
・「いつも着ているスーツよりもちょっと良いスーツを作りたい」
・「高級なブランド生地を使って特別な1着を仕立てたい」
などご希望に合わせて、縫製ラインや使用する生地を選んでいきます。それぞれの縫製ラインごとに仕様や価格が異なるので、こだわりたいポイントと予算を明確にし、オーダーの仕方を決めていきましょう。
生地を選ぶ
生地は印象を大きく左右するいちばん重要な要素です。グッドマンでは、約3.2メートルの1着分の現物生地や、生地見本(バンチブック)から理想の生地をお選びいただきます。
カウンセリングをもとに豊富な種類の生地の中から、お客様に最適な生地をご提案いたします。
「素材」
スーツに使用される代表的な生地がwool(ウール)です。このwool(ウール)は羊毛を原料に織られた生地で、天然素材独特の光沢、柔らかさ、高級感があり、ほとんどのスーツに使用されます。この他にも、強度と防シワ性を追求したウールとポリエステルの混紡生地、ポリウレタンをミックスさせた伸縮性を重視した高いストレッチ素材も最近は人気です。
wool&ポリエステル混紡生地は、ブランド生地に比べると着心地は硬めです。高級感には欠けるため、プレゼンや商談、冠婚葬祭などのフォーマルな場には不向きですが、摩擦に強く耐久性があり、シワになりにくいという特徴があります。また、軽くて汗なども乾きやすいため、営業や外回りが多いビジネスパーソンにもおすすめです。
wool 100%のイタリア生地なら軟らかい手触りと上品な光沢があり、イギリス生地なら厚みと耐久性があったりと、生地の原産国によってそれぞれ特徴が異なります。
主にグッドマンの高級縫製ライン【スタンダードライン】では主に海外ブランドの高級生地使用しています。これらの多くは、繊細で強度があまり高くなく営業や外回りなどの動きが激しい日に着るスーツには不向きです。その一方で、見た目に高級感があり、やわらかい感触で着心地がなめらかなので、「ここぞというときに使いたい」方や、「敏感肌で既製品のスーツが合わない」という方にも合う生地が見つかるでしょう。
また吸湿性や放湿性に優れている他、上品なツヤ感・光沢があり、発色が豊かという特徴があります。大人っぽくて信頼感のある装いになるため、プレゼンや商談など、ここぞというときの大事な日に着るスーツにはふさわしい生地といえるでしょう。
「柄」
ビジネスでの初めてのオーダースーツの場合は、ビジネススーツの基本の色・定番の色「ネイビー」や「グレー」を選ぶと良いでしょう。
ビジネスシーンでの着用なら無地かストライプ柄が無難な選択肢ですが、職業によってはチェックなどしっかりした柄も使える場合があるので、迷った時はご相談ください。
近年では就職活動で黒無地のスーツを着用している方も多くいますが、そもそも黒無地のスーツは冠婚葬祭用として作られたものです。日本においては一般化しているため問題になるケースは少ないですが、海外ではビジネスにそぐわない装いとされているため、ビジネスシーンでは避けたほうが無難です。
どうしても黒のスーツを着用したいという場合は、シャドーストライプなどの織柄が入っているものを選びましょう。
例えば「ストライプ柄のスーツが作りたい。」となった場合、ストライプ柄といってもスーツ生地にはチョークストライプ、ピンストライプ、ペンシルストライプなど様々なストライプ柄が存在します。
そういった時は実際に線の太さや色の明るさなどが異なるストライプ柄のそれぞれの現物生地を肩の上に乗せて、着用時に近いイメージで、「どの線の太さが自分に合うか」、「肌の色との相性が良いか」などを確認することがきます。また、生地サンプル(バンチブック)だとなかなか仕上がりのイメージがしずらい場合にも現物生地は役立ちます。
「自分にどういう色や柄が似合うか分からない」「生地がありすぎて選べない」といったときもお気軽にご相談ください。自分の好みで仕立てたいスーツのイメージに合った生地をご提案いたします。
スーツのデザインを選ぶ
生地が決まったあとはフロント(前身頃)のデザイン、「シングルブレステッド」や「ダブルブレステッド」、衿の仕様やポケット、ベントなど各デザインを決定していきます。パーツの役割や意味も知ることができる楽しい時間です。
裏地やボタンなど細かい部分を選ぶ
裏地やボタンも拘ってをおります。
自由にデザインをカスタマイズできるのはオーダースーツの醍醐味といえるでしょう。
ボタンの素材をプラスチックから天然素材に変えたり、裏地を柄物にしてみたり、あえて派手な色にするのもオシャレです。
スラックスに関してもタックの数や脇ポケット、ヒップポケットなどでデザインが選べます。ウエストのサイズが頻繁に変化する方には尾錠やアジャスターを付る事も可能です。
採寸・フィッティング・体型補正
デザイン決めが終わると、いよいよ採寸です。この採寸こそがオーダースーツにおける最も重要な工程です。
まずは肩幅、胸囲、袖丈、ウエスト、ヒップ、股下など、身体の各パーツのサイズを測ります。ゲージ服(採寸用サイズ見本)を試着し、仕立て上がりのイメージをフィッターと共に確認し合います。
この時に、「既製服ではいつも肩回りがきつい」、「股上は深めが好み」などのリクエストや拘りなどをお伝えいただくことでより理想の仕上がりに近づきます。また、いつも着用しているシャツや腕時計、シューズなどをお持ちいただくと更にイメージが付きやすく、お仕立てに反映できます。
必須ではありませんが、現在いちばんお気に入りのスーツをお持ちいただくことで、お好みのシルエットやサイズ感を共有することができ、フィッターとの仕上がりイメージの擦り合わせにも役立ちます。
お客様の体型、体のクセをミリ単位でしっかりと把握していきます。
「撫で方」「怒り肩」「猫背」「出っ腹」「出尻」など体型によって、ジャケットの各所に癖ジワが入ります。
お一人おひとりの体型に合わせて、イージーオーダーの最大のメリットである”体型補正”を入れることで癖ジワを解消させ、前からも後ろからも見た目の良いスーツ姿が実現します。
補正できる箇所はなんと50以上。
ご納品
約1ヶ月ほどでスーツの完成です。
再度ご来店頂き、仕上がりの確認のため仕立て上がったスーツの試着を行います。サイズ感やシルエットを確認したのち、完成したスーツを受け取ります。
大まかな流れは以上です。
納期はそれぞれのデザイン、縫製ラインによって差がございます。詳しくはお問い合わせください。
初めてオーダースーツを作る時の服装は?採寸は私服でも大丈夫?
スーツを着用する時の服装が理想的です
採寸を行う時の服装は、採寸しやすいよう身体のラインが分かるような服装でお越しいただくことをお勧めします。いちばん誤差の少ない採寸ができ、お客様の体の特徴を把握しやすいからです。スウェットやセーターなどの厚手の服は仕上がりに大きく影響を及ぼす可能性があるため避けるようにしましょう。また、可能であれば普段着用しているスーツをお持ちいただくと、出来上がり寸法を測ることで、よりスムーズにスーツを仕立てられます。
これは初回時のみのお話で、リピーターになられましたら、カジュアルな服装でも全然OKです。皆様のオーダースーツ注文時の参考になれば幸いです。
まとめ
オーダースーツは仕立て方によって特徴が異なります。予算を決めたり、生地や色柄選びのポイントを押さえたりして、自分だけの1着を仕立ててみてください。
「生地は拘りたいがデザインはお勧めで」
「予算は○○円であとはお任せで。」
など、お客様によってご要望はさまざまです。柔軟に対応いたしますので、お客様の思いをお聞かせください。
東広島 Goodman 〜グッドマン〜 のオーダースーツは、完全国内縫製のイージーオーダーです。さまざまな体型の方に合わせた補正が可能で、あなたのご要望に合うフィットした1着をご提供いたします。
「自分だけのスーツを作る」というのはとてもワクワクするイベントなので、
ご経験の無い方には是非1度試していただければ幸いです。